顧客フロントSEのIT勉強ブログ

2022 APN AWS Top Engineer / ALL AWS Certifications Engineer。AWS認定12冠、情報処理試験全冠。顧客フロントSEがなるべく手を動かしながらIT技術を学んでいくブログです。

事業部のアプリ屋がAWSを学ぶ意義とは?


有難いことに、2022 APN AWS Top Engineerに選出頂いたのですが、私自身はAWS・インフラ専門のエンジニアではなく、このサイト名の通り顧客フロントSE(=顧客と対面して要件整理・システム説明をするSE)ですし、どちらかと言えばアプリ屋です。

そんな人間がAWSを学ぶ意義って何だろう?というのを改めて考えてみます。

同じような立場の方にとって、AWSを学ぶきっかけ・モチベーションになればと思っています。

事業部と基盤部

SIer独自かもしれませんし、もしかすると自社特有の構成かもしれないので、まずは自己紹介もかねて「事業部とは?」から少し説明しておきます。
自社の構成は大きく「事業部」「基盤部」に分かれます(他にも本社機構などありますがここでは割愛)。

  • 事業部には特定の業界・顧客を軸として業務知識に精通したエンジニアが所属しています。主な仕事は顧客とやりとりしてシステム要件を吸い出し、アプリ設計に落とし、開発・保守することです。故に専門はアプリケーション、ないしはプロジェクトマネジメントとなります。
  • 基盤部はIT技術を軸としてシステム知識に精通したエンジニアが所属しています。主な仕事はネットワーク・データベース・セキュリティなどの領域に特化した設計・構築です。専門はインフラとなり、通常AWSを設計・構築するなら基盤部が担うことになります。

多くのプロジェクトは事業部中心に立ち上がり、インフラ領域は基盤部からメンバがアサインされるというイメージです。私は入社以来ずっと事業部に所属しているのですが、ひょんなきっかけで「事業部だけどAWSを扱えるSE」というキャリアを進むことになりました。

事業部でAWSを学ぶ意義って?

自分自身、AWSを学んでよかったこと・メリットを感じていることは大きく3つあります。

①アプリ/インフラの線引きが曖昧な案件に対応できる

近年アプリとインフラの線引きが非常に曖昧になってきていると感じます。
例えばAWSでいうと、Lambdaはアプリの延長線上で触れることになるでしょうし、Amplify StudioやElastic Beanstalkを使えばインフラメンバが居なくてもWebアプリを作ることができます。

一方でCI/CD(CodeBuild、CodeDeployなど)はどちらかと言えばインフラメンバが担うかもしれませんが、パイプライン構築などは一種のアプリケーション開発です。

このように線引きが案件・タスクが増えている中で、アプリ屋がAWSを学ぶことで自分の守備範囲を大きく広げることができます。

②事業部だけでアジリティ高く活動できる

パブリッククラウドの強みに「アジリティの高さ」があります。
ハード調達をすることなく、即座に環境構築・リソース増強ができるという迅速さです。
ただ、現実はシステム面でアジリティが高くても、体制・要員がいないために即座に対応できないということもあり得ます。

例えば、数人月程度の小さな案件だがAWSでサーバ構築が必要・・・という案件で、AWSだから基盤部からアサインしたいけど数人月程度では新規に人を割けない、という状況です。

こんな時、事業部にAWSが分かる人間がいたらどうでしょう!?
既存体制の中でさらりと対応できるため、体制面におけるアジリティも高くなります。

③顧客からの信頼度UP

事業部のエンジニアは顧客と直接のやりとりが発生し得ます。
そのため「xxxの仕様はどうなっている?」「xxxって対応できる?」という質問・相談が来るのですが、毎回「別メンバに確認して回答します」だとスピード感が下がりますし、なによりその人への信憑性が下がります。

そんな中、事業部でAWSの知識を持てばアプリ・インフラ両面で対応できるため、その場で即答できるケースが多くなり、結果顧客からの信頼度もUPします!
私自身、顧客からByNameで相談を受けることも多くなり、その効果を実感しています。

事業部にいながらどうやって学ぶ?

メリット・意義は分かったところで、では事業部にいながらAWSを学んでいくべきでしょうか?
正直、特効薬はありませんが次の2点は意識すると良いと思っています。

1つめは「コミュニティに参加する」です。どうしても事業部にいると周囲にAWS有識者は少ないため、一人で黙々と学ぶことになりかねません。そこで、もし社内にAWS勉強会のようなコミュニティがあれば、思い切って一度参加してみてはいかがでしょうか?

レベルが高いエンジニアと接点を持つことで「自分も学ばなくては!」という焦りや刺激を貰えると思いますし、各領域に強いエンジニアを知りあえればいざという時に相談相手になってもらえるかもしれません。

社内にそのようなコミュニティが無くても、AWSにはJAWS-UGというユーザグループがあります。定期的にイベントも開催されているのでそこに参加してみることから初めて見てもよいと思います。

2つめは「実際に手を動かす」ということです。先ほど「アジリティの高さ」がクラウドの強みだと述べましたが、実際にAWSに触れられる環境はすぐに作れます。文書を読んでいるだけでは腹落ちしにくいので、出来るだけ実際に手を動かして各AWSサービスを実体験することが習得への近道だと思います。
※このブログのコンセプトも「なるべく手を動かしながら勉強」です。
AWSアカウントの発行方法と、最初に設定すべきポイントは以前整理したのでそちらも参照してみてください。

まとめ

今の時代クラウドに触れなくてよい・知らなくてよいSIer・SEはいないと言ってもよいほどになってきていると思っています。
事業部のアプリ屋でもクラウド知識を持てばたくさんメリットがありますし、事業部にいるAWSエンジニアだからこその価値も出せると思います。
「自分はアプリ屋だから関係ないな・・・」と思わず、まずはAWSアカウントを作ってみる、コンソールに触ってみるから始めてみましょう!!

※最近「グラフィックレコーディング(グラレコ)」という言葉を知って、見よう見まねでそれっぽい絵を書いてみました。これも勉強ですね・・!